PHOTO 道具
こういった大工道具(手道具)は、
現在ではあまり使われなくなってきました。
プレカットや2×工法などの普及により、
材料の手刻みをすることが少なくなった為です。
私は在来工法を手刻みでするという方法にこだわっています。
このような理由で、
残念ながら大工の技術がどんどん落ちてきています。
また、和室を造れる大工も少なくなってきていますし、
墨付けや切り込みの技術が、ある水準まで達していない大工が
いることも事実です。なにせ、
砥ぎものや鉋がけができない大工が増えてきているのですから。
このような道具を持っていない大工もいるという現状です。
昔はその人の道具を見て、雇うかどうか決めていたくらいです。
なぜなら、その人の道具を見れば、
その人の腕の良し悪しがわかるからです。
こういった現状は、大工だけの責任ではなく
人件費の削減(そういった大工は手間賃が安いので、
次々と仕事をこなさなければ儲けがありません。よって、
必然的に仕事を早く終わらせようとします。
そうすると結果的に仕事が大雑把になるということ)など、
いろんな事情もあります。
やはり、職人はプライドを持って、
自分の技術を追求していくべきですが
そういうことが困難な状況にある大工たちもいます。
これは、現在の建築業界を考えたとき、
憂慮すべきことだと思います。
だからこそ、私は良い仕事・難易度の高い仕事をしたいのです。
そういう仕事は儲からないかもしれませんが、
自分に誇りを持てますし、仕事自体が楽しいのです。



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