トップページで、言いました長持ちする家(質の高い家)とは
工法、骨組み(躯体)、木材選び、大工の技術、
協力業者の質、工期、予算に応じた見積り配分、などによって
出来上がると考えます。
第一に工法ですが、2×工法・在来工法を選択できます。
十勝だけの現象ですが、
2×工法が70%から80%を占めていると思います。
2×工法の長所としては、一般的に、
耐震性・耐火性・断熱性・気密性・防音性が高いことです。
また、継ぎ手、仕口などの複雑な加工が不要であり、
ほとんどが直線カットのみで済むため、高度な技術を必要とせず、
人件費および工期を抑えることができます。
2×工法の最大の問題点は、乾燥と圧縮による「木材の収縮」です。
2×材は、乾燥材と思われていますが、実際は違います。
材が太ければ太いほど、築後2,3年かけて収縮します。
壁の断熱効果を高める目的で、
2×6(38mm×140mm)を使用すると、
140mm方向で将来、最大で4mm程度収縮します。
床材で 2×10(38mm×235mm)を使用すると、
235mm方向で将来、最大で8mm程度収縮します。
一般に、2×材は、密度の違う木が何種類も混ざっていますので、
収縮の程度がみな違うので、これが困まってしまいます。
通常、施主様は、木材の種類までは指定されません。
建設会社任せです。現在2×工法での木材種類の指定は困難です。
「在来工法」の特徴としては、
土台・柱・梁と筋交い、などで構成されて、
全ての工法のなかで最もレイアウトが
自由に出来るということにあります。
また、画一的なデザインや、間取りに縛られることなく、
施主様の要望にひとつひとつ応えることができます。
基本的には、「筋交い」で耐震強度を上げるのですが、最近では、
壁面に構造用合板を貼り「2×4」並みの耐震構造を兼ね備えた家を
造ることができます。
在来工法の柔軟な構造は、
リフォームや増改築を行う際にも有利です。
使用する木材を自由に選べるというメリットがあり、
乾燥した木材を適材適所に配置する事ができます。
木材には「木材の種類」及び、無垢材・集成材などあり、
それぞれに密度・曲がり・ねじれ・上下・木表・木裏など、
一本一本異なる性質を持っています。
最近では、木材の刻みも工場でコンピューター制御された機械で
加工されています。これをプレカットといいます。
プレカットされた木材で、何度か新築する経験をしましたが、
その時に感じたことは、
「木材のむだ使い」(木材の食い込み)、
「木材の不適切な使用」などが、多く見受けられたことです。
(その原因は、コンピューター制御された機械には限界がある事と
それを加工する人の技量にあると思います。)
つまり、「木材のむだ使い」「木材の不適切な使用」などによって
家の強度に問題が発生したり、
「手刻み」よりも木材のコストが高くなってしまいます。
そういった理由で、
私は在来工法を手刻みでするという方法にこだわっています。
全ての木材を「選別」「適材適所」を考慮して
木材の性質を読み取り、使用する事が出来て、
初めて「大工」と呼べるのではないでしょうか。
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